帽子の種類

中折れ帽

中折れ帽は、通常は頭頂部が少しくぼんだ形状で、頭の上にフィットするようにデザインされています。主な特徴は、帽子の周囲が上向きに折り曲げられていることです。つばの幅や形状は異なる場合がありますが、一般的にはやや広めのつばが付いています。前から見ると、中央部が少し盛り上がり、両側がやや折り込まれているような形状をしています。このスタイルは、フォーマルな場面からカジュアルな日常使いまで幅広いシーンで人気があります。

中折れ帽は、イタリア人のマストアイテムとしても知られており、ステージの演出のためにミュージシャンが被っているのもよく見られます。ボルテージが最高潮になった時に、中折れ帽を投げるようなシーンは誰しもが見たことがあるはずです。

中折れ帽は、動物の毛を縮絨してできたフェルトを使って作られます。フェルトハットに用いられる獣毛は、主にウール(羊)、ラビット(兎/うさぎ)、ビーバーの3種類です。

中折れ帽は、帽子の型崩れ帽子のためには両手でつばを優しく掴んで着脱するのがオススメです。

ボーラーハット

ボーラーハットは、特徴的な丸い形状が特徴です。頭頂部はやや盛り上がっており、円形のつばが付いています。一般的には、頭の周りにフィットするように作られており、顔の上部を覆う程度の高さがあります。この帽子は、20世紀初頭にイギリスで広まり、ビジネスマンや労働者などによって広く愛用されました。伝統的には硬いフェルト素材で作られていますが、現代では様々な素材やデザインがあります。

ボーラーハット(Bowler hat)は、イギリス発祥の伝統的な帽子で、日本では山高帽(やまたかぼう)とも呼ばれます。トップが丸く半球形で、ツバは全周上がっているのが特徴です。

ボーラーハットは、1950年代頃にイギリスで狩猟の従者の帽子として作られたと言われています。帽子の形がボウル(Bowl)を連想させることからボーラー(Bowler)ハットと呼ばれ、競馬場でよく用いられたことからダービーハットとも呼ばれます。

ボーラーハットは、堅く加工したウール100%のフェルト製で、上品で風格のある帽子です。フォーマルにも普段のオシャレのアイテムとしても使えます。映画俳優やミュージシャンにも大変人気があり、男女問わず楽しんでいただけます。

ボーラーハットは、トップ・ハットと並ぶハード・ハットのため、クラウンとツバは堅く仕上げられており、一般的にかぶられるソフト帽子とは異なります。ビジネス・スーツや和装にも十分に対応できるトラディショナルなハットです。

トップハット

トップハットは、非常に特徴的な形状をしています。一般的には円錐形の高い頂部と、底面が平らな形状をしています。頂部が非常に高く、垂直に立っているのが特徴です。また、広いつばが付いていることもありますが、一部のデザインではつばがない場合もあります。トップハットは19世紀から20世紀初頭にかけて、主にフォーマルな場面で着用されました。特に、英国の紳士や貴族の間で広く愛用されていました。現代では、特別なイベントやフォーマルな場面での装飾品として用いられることがあります。

クラウンが円筒状で高く、頂上が平らで、つばの両側がそり上がり、へりが鋭角に折り返っている絹製の帽子。英語ではシルクハットとも呼ばれ、紳士の正礼装に用いられるフォーマルな帽子です。
車用語で、ブレーキディスク(ディスクブレーキの丸い部分)をホイールハブに備え付ける部分。形がトップハット(シルクハット)に似ていることから命名されました。

ポークパイ

ポークパイハットは、特徴的な形状をしています。一般的には、頭頂部が平らで広がり、円形のつばが付いています。名前の由来は、ハットが豚の骨の形状に似ていることから来ています。頂部はやや盛り上がっているため、全体的に円錐形に見えますが、トップハットほど高くはありません。また、つばの幅や形状はバリエーションがありますが、一般的にはやや広めのつばが特徴的です。ポークパイハットは、20世紀初頭にアメリカで流行し、当時のファッションの一部として広く愛用されました。

ポークパイハットとは、トップが低く平らな円筒形で、独特のフチがあり、狭いつばがわずかにカールアップした帽子です。帽子上部(クラウン)が平らでその周囲からへこませている形の帽子で、ポークパイ(肉入りパイ)に似ていることからポークパイハットと呼ばれるようになりました。

テラピンチハットと同義語のようですが、ポークパイハットが幅広い帽子を指すのに対し、テラピンチハットはフェルト素材の帽子を含まない意味で使われることが多いです。

カジュアルからタイドアップまで、様々なコーディネートに合わせていただけます。イギリス紳士たちが愛用し、スカやパンクといった音楽カルチャーにも浸透したことで広まりました。古くはアメリカジャズシーンなどにでも愛用された歴史を持ちます。

ポークパイハットには、平らなツバをカンカン帽・キャノチェ・ボーターという違いも見られます。カンカン帽とキャノチェやボーターの違いは特にありません。主にカンカン帽は日本の名称、キャノチェはフランスの名称、ボーターは英語の名称になります。

クロッシェ

クロッシェ帽は、編み物やかぎ針編みなどの手法で作られた、軽量で通気性のある帽子です。一般的には、編み地が密になっており、頭頂部を覆い、頭の周りにフィットするようにデザインされています。帽子の形状は、伸縮性のある編み地のため、やや柔らかい印象を与えます。クロッシェ帽は、夏季に頭を涼しく保つために着用されることが多いですが、様々なスタイルやデザインがあり、季節を問わずファッションアクセサリーとして人気があります。

クロッシェハット(クロッシェ)は、フランス語で「釣り鐘」を意味する帽子です。ベルのように丸いクラウンと下向きのブリムが特徴で、フェイスラインをすっきりと明るく魅せるフォルムが特徴です。

クロッシェハットは、バケットハットとほとんど差はありませんが、腰と言われるベルト部分に切り返しがなく、バケットハットに比べてツバの角度が下向きであることが多いです。またクロッシェハットは、レディース向けにつくられたものが多いです。

日本では昭和初期に流行し、当時の「モダン・ガール」に愛好されました。2022年春夏は帽子がトレンド入りしており、その中でもおしゃれさんたちの間でじわじわと注目を集めています

キャペリン

キャペリン(Capeline)は、一般的に女性が日よけやファッションアクセサリーとして使用する大きなつばのついた帽子です。キャペリンは通常、円形または楕円形の帽子で、頭の上部を覆い、顔や首筋を広く覆う大きなつばが特徴です。つばの形状や幅は異なる場合がありますが、一般的には幅広く、曲線を描いています。キャペリンは、日よけやファッションのステートメントとして、ビーチや屋外のイベントなどで着用されることがあります。

キャペリンハットとは、つばが広く少しつばが下がった帽子で、女性用の帽子です。日本では「女優帽」や「ガーデンハット」とも呼ばれています。

キャペリンハットは、顔周りを自然にカバーするため、どんな顔の形の方にも合いやすい型です。また、広いつばが顔周りにボリュームを与えてくれるので小顔効果の高い帽子と言えます。

キャペリンハットには、コサージュやリボンなどの華やかな飾りがついたエレガントなものや、逆にシンプルで日常の日除け目的で作られているものなどがあります。日傘の代わりに着用される方も多く、夏場は特に人気の型です。

キャノチエ

キャノチエ(Canotier)は、伝統的なフランスの帽子で、特徴的な形状をしています。通常は平たい円形の帽子で、フロントに少し傾斜のあるつばがついています。帽子の周囲にリボンや装飾が施されることもあります。キャノチエは19世紀後半から20世紀初頭にかけて流行し、特に夏季に日よけとして愛用されました。その名前は、元々は漁師が着用していた帽子で、カヌーを漕ぐために使われていたことからきています。現代では、レトロなファッションや特別なイベントでの装飾品として復活しています。

キャノチエハット(canotier)とは、フランス語で「ボートを漕ぐ人」を意味する帽子で、英語では「boater(ボーター)」とも呼ばれます。日本では「カンカン帽」と呼ばれ、主に麦わらを組んで作られています。平らな円筒形のクラウンに水平のブリムがつき、帽体にはリボンを装飾することが多いです。

キャノチエハットは、かつてボートを漕ぐ人たちが被っていたことからその名が付けられました。昔は流行したデザインですが、現代風にアレンジされたものもあります。

メトロハット

メトロハットは、丸いクラウン(つばのない帽子のてっぺん)に短めのつばが付いた帽子の総称です。幼稚園や小学校の制帽に採用されることが多く、子どもっぽいイメージがありますが、まっすぐ水平にかぶることで大人のメンズらしい印象をキープできます。

メトロハットは、船の乗組員が被っていたことから「クルーハット」とも呼ばれます。また、ルーズベルト大統領がカンポベロ島で愛用していたため、「カンポベロハット」とも呼ばれています。

メトロハットは、バケットハットとよく同じような扱いになりますが、トップの形が異なります。バケットハットは円筒または横から見ると台形のようなトップの形に対して、メトロハットは釣鐘のようなトップで、丸みを帯びたものをさします。

メトロハットは、トップが丸くツバのついた帽子です。バケットハットとよく似た帽子ですが、バケットハットは円筒または横から見ると台形のようなトップの形に対して、メトロハットは釣鐘のようなトップで、丸みを帯びたものです。

メトロハットは、船の船員が使用していたことから「クルーハット」や「セーラーハット」とも呼ばれています。また、ルーズベルト大統領がカンポベロ島で愛用していたため、「カンポベロハット」とも呼ばれています。さらに、「テニスハット」という名前で知っている方もいるかもしれません。

メトロハットは、昭和の名映画監督、小津安二郎氏がかぶっていた帽子に似た形です。その当時はピケ帽、登山帽と呼ばれていましたが、現在ではメトロハットと名称を変え、そう呼ばれています。

チューリップハット

チューリップハットは、その名前の通り、チューリップの花のような形状をしています。この帽子は、頂部が少し盛り上がった円形の帽子で、円錐状の形状をしています。特徴的なのは、帽子の周囲にある円形のつばが、内側に折り返されていることです。つばが内側に折り返されることで、花弁のような形状が生まれ、チューリップの花を連想させます。

この帽子は、20世紀初頭に主に女性たちが愛用しました。特に、春や夏のファッションシーズンに人気があり、軽やかで女性らしい雰囲気を演出するのに適しています。

チューリップハットとは、チューリップの花を連想させる形の帽子です。クラウン(帽子のトップ)からブリム(ツバ)まで繋がっているデザインで、バケットハットよりも滑らかで柔らかく、ナチュラルな印象を与えます。

チューリップハットは、つばとクラウン部分の切り替えしや縫い目がないので、おでこの境目があいまいになり小顔に見せることができます。また深く被れてつばが下を向いているので顔の広い部分が隠されて小顔効果になっています。

チューリップハットは、リラックスしたサーフスタイルを、メンズライクに着こなすならバケットハット、柔らかくまとめるならチューリップハットがおすすめです。チューリップハットはリブタンクとカラーを合わせて統一感を持たせつつ、デニムでカジュアルダウンします。

チューリップハットの被り方は、ツバが広がっていて少し大きい場合が多いので、少し後方に傾けてかぶると顔の表情が見えて明るい印象になります。

バケットハット

バケットハットは、その名前の通り、バケツのような形状をしています。この帽子は通常、柔らかい素材で作られ、円筒状の帽子の上部がやや広がり、つばがほとんどないか、非常に短いことが特徴です。

バケットハットは、1960年代に登場し、特にカジュアルなファッションスタイルによく合う帽子として人気を博しました。そのシンプルでスポーティーなデザインは、アウトドア活動やリラックスした日常の装いに適しています。また、多くの場合、折り畳み可能で持ち運びに便利なのも特徴です。

ブーニーハット

ブーニーハットは、特徴的な形状をしています。一般的には、円形の頂部に比較的幅広いつばが付いています。つばは通常、頭の周囲全体を覆う程度の長さがあり、顔や首筋を日よけや風から守る役割を果たします。ブーニーハットのつばはしばしばダウンスロープされており、一部のデザインではつばを折り返して調節することができる場合もあります。

この帽子は元々軍用の装備として開発されましたが、その快適さと機能性からアウトドアやレジャーのアクティビティで広く愛用されています。特に登山、釣り、キャンプなどのアウトドアアクティビティや、日常のカジュアルな装いに適しています。

ブーニーハットとは、麦わら帽子のような幅広いつばを持つ帽子で、熱帯の森林地帯やジャングル戦向けに開発されました。1966年にアメリカ軍に採用され、ジャングルハットとも呼ばれています。

ブーニーハットは、草木に紛れやすいという理由からサバゲーなどに最適なアイテムとなっています。また、アウトドアやフィッシングにも適しており、日よけを外せばタウンユースでも被ることができます。

ブーニーハットは、内側はメッシュ生地が付いており、外側にも通気口があるので熱がこもりにくくなっています。後ろについたドローコードを絞ればアクティブな場面で帽子が落ちない仕様にもなります。使わないときにはコンパクトに丸めてバッグに入れることもできます。

ブーニーハットは、タガログ語由来の俗語から派生したもので、元は山や原生自然帯を、転じて文化から離れた田舎などを揶揄するような意味でもあるそうです。

6パネルキャップ

6パネルキャップは、その名前の通り、6つのパネルで構成されています。各パネルは、帽子の円形の頂部からつばに向かって放射状に配置されています。これにより、帽子は頭の形状にフィットしやすくなります。通常は、前面には硬いバイザーが付いており、顔を日差しから守る役割を果たします。

6パネルキャップは、スポーツやアウトドア活動、カジュアルな日常使いに適しています。さまざまな素材やデザインで提供されており、ロゴや装飾が施されたり、アジャスタブルストラップで調節可能なものもあります。このキャップは、そのシンプルなデザインと快適さから、幅広い用途で人気があります。

6パネルキャップとは、帽子のクラウンを構成するパネルが6枚あるキャップのことです。クラウンの形状によってパネルの枚数が異なり、帽子にはパネルの数に合わせて「6パネルキャップ」や「8パネルキャップ」といった呼称が付けられます。

6パネルキャップは1860年頃から存在しており、8パネルキャップよりも歴史が古い構造です。

6パネルキャップには、リネン素材やコットンツイル生地、CORDURA NYLON素材、オーガニックコットン100%素材、中肉ドリル生地、ウール素材、コットン素材、ナイロン素材など、さまざまな素材のものがあります。

トラッカーキャップ

トラッカーキャップは、特徴的な形状をしています。一般的には、前面に幅広のフォーム(発泡体)が付いており、頭の前部を覆います。これにより、額や目を日差しから守ります。また、後部は通常はメッシュ素材で、通気性が高くなっています。側面と後ろには通常、調節可能なプラスチック製のストラップがついており、帽子のサイズを調整することができます。

トラッカーキャップは、元々はトラック運転手や他のアウトドア作業者向けの帽子として設計されましたが、現在ではカジュアルな日常のファッションアイテムとしても広く愛用されています。ロゴやテキストが入ったデザインが一般的であり、ストリートウェアやスポーツウェアとして人気があります。

トラッカーキャップは、トラックの運転手や農家が野外で作業するときに強い日差しから守るために設計されたキャップです。

トラッカーキャップは、後ろ部分がメッシュ素材で作られているものや、フロント部分のパネルが固く形がしっかり出るタイプがあります。メッシュ素材は通気性が高く、頭が蒸れにくいという利点があります。

トラッカーキャップの由来は、企業のロゴや商品名をプロモーション用でトラック運転手に無料で配布したのが起源です。制帽やプロモーションとしての役割が大きいアイテムです。

1970年代、アメリカで流行したトラッカーキャップは、当時のワークマンたちが作業着として着用していました。あえて色落ちしやすい生地を使用しているため、長く愛用することでその風合いもお楽しみいただけます。

ジェットキャップ

ジェットキャップとは、頭を覆うクラウン部分が5枚のパネルで構成された浅めの帽子です。前方にツバがついており、その作りから「ファイブパネルキャップ」とも呼ばれます。アウトドアシーンでよく使用されるため「キャンプキャップ」と呼ばれることもあります。

ジェットキャップは、ストリートやキャンプ、アウトドアなどのシーンで近年注目度が高まっており、ナイロン素材でシンプルなロゴプリントで仕上げられたものが多いです。

ジェットキャップは、カジュアルかつ軽やかな印象が作れるため年中通して被りやすいのがメリットです。また、左右にあるベンチレーションも特徴の1つです。

ジェットキャップとサイクリングキャップの違いは主にツバの部分です。ジェットキャップはフラットタイプのキャップになっていることが多く平らな印象ですが、サイクリングキャップはツバの部分にカーブがついていたり、やや小つばで柔らかめの素材であることが多いです。

ハンチング

ハンチング帽は、フラットな形状をしています。一般的には、円形の頂部とフロントに小さなつばが付いています。この帽子は、通常は柔らかい素材で作られ、つばが短く、しばしば前方に傾斜しています。また、側面には通気孔があることがあります。

ハンチング帽は、フランスの伝統的な帽子であり、特にイギリスやアイルランドの男性の間で人気がありました。20世紀初頭には、フラットキャップやゴルフキャップなどと共に一般的な男性の帽子として広まりました。現代では、ファッションの一部として復活し、男女問わず幅広い層に愛用されています。

ハンチングキャップは、19世紀半ばにイギリスで生まれた狩猟用の帽子です。ハンチングベレーやハンチング帽、フラットキャップとも呼ばれます。

ハンチングは、乗馬や狩猟などの激しい運動をする際に頭の形に合ってズレにくい帽子として作られました。短めのツバが付き、真円に近い1枚の天井が正統派の形ですが、ほかにもさまざまなアレンジが加えられたものがあります。

ハンチングは、イギリスの上流階級の男性が狩猟用にかぶったのがルーツといわれ、その後、散歩やゴルフなど使用範囲が広がり一般にも普及しました。日本には明治以降、近代化とともに持ち込まれ、元来の用途に近い鳥打帽/鳥打ち帽(とりうちぼう)などと訳され、定着しました。

ハンチングは、男性の代表的なスポーツキャップとして、アイビー・ストライプ柄や小紋プリントのものが多く見られます。また、探偵帽としても印象が強い帽子です。

キャスケット ニューヨークハット newsboy cap

キャスケットは、フランスの伝統的な帽子で、特徴的な形状をしています。一般的には、平らな形状で、頭頂部がやや盛り上がり、フロントに小さなつばが付いています。帽子の周囲には通常、柔らかい素材の帯が取り付けられており、頭の形にフィットするようになっています。

この帽子は、20世紀初頭にフランスで広まり、特にパリのストリートファッションで人気がありました。現代では、男女問わず幅広い層に愛用され、ファッションの一部として定着しています。また、様々な素材やデザインがあり、季節や装いに合わせて選ぶことができます。

キャスケット(casquette)とは、フランス語で「ハンチング帽」を意味する言葉です。前方にのみつば(ブリム)がある帽子の総称で、頭の上の部分が平たく、比較的柔らかい生地でできているのが特徴です。

キャスケットは、19世紀から20世紀初頭にかけて欧米の若者や労働者の間で流行したことから、外国映画の中でもよく目にする帽子種類です。丸みを帯びたレトロな雰囲気が特長で、身に着ける人に若々しい印象を与えてくれるため、男女を問わず人気があります。

キャスケットは、ハンチング帽と似ていますが、違いはクラウン部分(頭にかぶる部分)の継ぎ目の有無です。キャスケットは継ぎ目があるためクラウン部分にボリュームがあり、2~8枚はぎになっています。

キャスケットは、マニッシュ系やガーリー系によく合い、コーディネートのアクセントになる優秀アイテムです。ふっくらとしたフォルムに独特の可愛らしさがあり、いわゆる「小顔効果」も期待できることから、キャスケットは現代において若い女性の間(レディース)でも大変人気があります。

マリン

マリン帽(マリンキャップ)は、海や船舶の世界に由来する帽子で、特徴的な形状をしています。一般的には、円形の頂部と、やや広めのつばが特徴です。頭頂部はフラットな形状で、つばは通常は円形に広がっています。また、つばの前面には小さな船のアンカーやロープなどの装飾が付いていることがあります。

マリン帽は、船員や海事関連の職業の人々が着用していた帽子ですが、その独特のデザインと機能性から、現代ではファッションアイテムとしても人気があります。特に夏の海辺やリゾート地で、海を感じさせる装いを楽しむために愛用されます。

マリンキャップは、水兵や漁師などの船乗りがかぶっていた帽子が由来で、学制帽や警官の制帽のような形をしています。英語で「マリン(marine)」は「海の」「海兵の」、キャップ(cap)には「帽子」「制帽」という意味があり、船員が被っているような帽子を指して「マリンキャップ」と呼ばれています。

マリンキャップは、丸顔や面長、三角顔の人にも似合う柔軟性を持ったキャップです。特に似合う方は三角顔の顔立ちの方です。シンプルなコーディネートに加えるだけで、主役になるキャップです。ボーダーカットソーとデニムに合わせて、THEフレンチスタイルがおすすめです。

マリンキャップは、フランスのノルマンディー地方の漁師が愛用していたものがモチーフとなっているようです。

ワークキャップ

ワークキャップは、その名前の通り、労働者や作業者が仕事中に着用するために設計された帽子です。一般的には、以下のような特徴を持っています。

  1. フラットな形状: ワークキャップは通常、頂部が平らな形状をしています。つばがないか、非常に短いことが一般的です。
  2. 耐久性のある素材: 労働者が長時間かぶり続けるため、ワークキャップは通常、耐久性のある素材で作られています。キャンバス、デニム、コットンなどが一般的です。
  3. シンプルなデザイン: 多くのワークキャップは、シンプルで機能的なデザインをしています。派手な装飾や装飾品は少なく、主に機能性を重視しています。
  4. 通気性: 労働者が熱中症を防ぐために、通気性のある素材や通気孔が設けられていることがあります。

ワークキャップは、様々な産業や職種で使用されており、安全帽の下に着用されることもあります。また、カジュアルなファッションアイテムとしても人気があります。

ワークキャップ(work cap)とは、労働者が仕事中に頭部を保護するために着用していた帽子で、「作業帽」という意味です。

ワークキャップは、1920年代ごろに米国で鉄道作業員の帽子として誕生したレイルロード・キャップ(平天の帽子)がルーツです。ワークキャップは、円筒形のクラウン(頭部分)にツバのついた帽子で、ツバが短く、かぶりが浅いデザインが特徴です。

ワークキャップは、幅広くシンプルなコットンキャップ全体を指すこともありますが、通常はレイルロードキャップと呼ばれる平天の帽子のみを差します。

ワークキャップの中でも最も有名で特にメンズに人気の定番タイプがドゴールキャップです。ドゴールキャップは、フランスの著名な軍人が使用していたとされるタイプで、円筒形のトップにコシと呼ばれるベルト部分がついています。

ワークキャップのかぶり方としては、深めにかぶるのが定番ですが、頭頂部が帽子のトップに当たらない程度にかぶると小顔効果が高くスッキリとした印象になります。また頭に乗せるだけのような浅めの被り方をすればこなれた雰囲気になります。

トラッパー

トラッパーハット(またはトラッパーキャップ)は、寒冷地での保温や耐寒性を重視した帽子です。一般的な特徴は以下の通りです。

  1. フラップ付きの耳当て: トラッパーハットは、耳を保護するために、側面や後ろに大きなフラップ(羽根)がついています。これらのフラップは、必要に応じて上げ下げできるようになっている場合があります。
  2. 厚手の素材: 一般的には、寒さに耐えるために、暖かい素材(ウール、ファー、人工素材など)で作られています。
  3. つば付き: 通常はつばが付いており、顔や目を日差しから守る役割があります。
  4. 頭頂部の丸み: 頭頂部が少し盛り上がっていることがあり、特に耳当てがフラップされている場合にその傾向があります。

これらの特徴により、トラッパーハットは寒冷地での活動やウィンタースポーツ、アウトドア活動で広く使用されています。

トラッパーキャップは、飛行機やバイクの操縦時に着用する、防寒・防風を目的とした耳まで覆う帽子です。別名「フライトキャップ」「パイロットキャップ」「ウシャンカ」とも呼ばれます。

トラッパーキャップは、耳当てとつば(バイザー)が付いており、どちらも折り返して上にあげられるのが特徴です。耳あて部分がワンタッチで着脱できるバックルを使用しているものもあり、必要のないときは頭頂部で留めておくことができます。

防寒性の高さから、ストリートのみならずウィンタースポーツシーンでも着用者が多いアイテムです。内側にフェイクフォックスファーを採用することにより優れた保温性を獲得しているものもあります。

ワッチ

「ワッチニットキャップ」は、一般的なニット帽(ビーニー)の一種ですが、特定のデザインやスタイルを指す場合もあります。一般的なニット帽としての形状や特徴は以下の通りです。

  1. フィットした形状: 通常は頭の形に沿うようにデザインされており、頭頂部から少し広がる形状です。
  2. 伸縮性のある素材: ニット素材のため、伸縮性があり、様々な頭のサイズにフィットすることができます。
  3. 通気性: 暖かい季節でも過度に暑くならないように、通気性の良い素材が使用されていることがあります。
  4. 折り返し可能なつば: 一部のデザインでは、つばを折り返して調節することができます。

「ワッチニットキャップ」という用語が特定のデザインやスタイルを指す場合、それが具体的にどのような特徴を持っているかによって、形状やデザインが異なります。

ワッチは、ニット帽の一種で、カフと呼ばれる折り返しのあるタイプを指します。英語の「watch(見る)」に由来し、漁師の帽子をヒントに海軍の「見張り」担当の兵士(水兵)が用いたことが由来と言われています。

ワッチには、次のようなタイプがあります。

  • ビーニーワッチ: どんな頭の形やサイズにもフィットし、程よいゆるさを確保
  • ビッグワッチ: ゆったりとしたサイズ感で、ボリュームがあるので小顔効果が抜群
  • ルーズワッチ: ざっくりゆるりとかぶれるニット帽
  • イスラムワッチ: 長さが短く、頭にフィットします

ワッチは、トルコ周辺のイスラム教徒の帽子からネーミングされた帽子とも考えられており、黒澤明監督やレオンのジャン・レノで有名です。

ビーニー

ビーニー(ニットキャップ)は、一般的に以下のような形状をしています。

  1. 頭頂部がやや盛り上がった形状: ビーニーは通常、頭の頂部が少し盛り上がっている形状をしています。これにより、頭の形にフィットしやすくなります。
  2. 伸縮性のある素材: ニット素材で作られており、伸縮性があります。これにより、様々な頭のサイズにフィットすることができます。
  3. つばがない: 一般的なビーニーにはつばがなく、頭の上から頭頂部までが覆われます。
  4. 暖かい素材: 冬季に頭を暖かく保つために、ウールやアクリルなどの暖かい素材が使用されることが一般的です。
  5. シンプルなデザイン: 多くのビーニーは、シンプルなデザインで、ロゴや装飾があまりないことが一般的です。

ビーニーは、冬季の防寒用としてだけでなく、ファッションアクセサリーとしても広く愛用されています。

ビーニーとは、ツバのない帽子やニット帽全般を指す言葉です。日本では、裾が折り曲げられていないニット帽を指す言葉として使われています。

ビーニーは、1900年代初頭にアメリカで誕生したアイテムです。当時は4〜6つのフェルトパネルを縫い合わせて作っていたことからシームドキャップ(Seamed cap)と呼ばれていましたが、縫い合わせた一番上にある天ボタンが豆(Bean)に似ていたためビーニーと呼ばれるようになりました。

ビーニーとワッチは由来が異なり、本来は形も違うはずですが、今ではニット帽全般を指す言葉として使われています。厳密には、ビーニーは折り返しのないニット帽、ワッチは折り返しのあるニット帽とされています。現在、あまり明確な違いはありませんが、ビーニーはポンポンなどの飾りがないシンプルなニット帽を指す用語として使われているケースが多いです。

オスロ ニットキャスケット

ニットキャスケットは、伝統的なキャスケットのデザインにニット素材が用いられた帽子です。キャスケットの一般的な形状と、ニット素材の特性が融合したものです。一般的なニットキャスケットの形状には以下のような特徴があります。

  1. フラットな形状: キャスケットの特徴であるフラットな形状を持ちます。頭の頂部からやや広がり、フロントには小さなつばが付いています。
  2. ニット素材の柔軟性: ニット素材の柔軟性により、頭の形にフィットしやすく、快適な装着感を提供します。
  3. ニットの編地: ニットキャスケットは、通常はニットされた編地で作られています。このため、暖かく、通気性があります。
  4. クラシックなデザイン: キャスケットの伝統的なデザインとニット素材の組み合わせにより、クラシックで洗練された外観を持ちます。

ニットキャスケットは、冬季の防寒用としてだけでなく、ファッションアクセサリーとしても人気があります。

オスロキャップは、つばの付いたニット帽で、折り返しが特徴です。折り返しを伸ばすと耳までしっかり覆うことができます。

オスロキャップの特徴は次のとおりです。

  • クラウンのトップが平たく、バイザー(つば)が付いている
  • サイドの折り返し部分の高さは、クラウンの高さに対して、割合としては大きめ
  • フロント以外は、長めに折り返しがとられている

オスロキャップは防寒用の冬の帽子です。

イヤーフラップ ニット


イヤーフラップは、一般的には帽子の側面や後ろに付いた小さな布片やフラップのことを指します。これらのフラップは、耳を覆うようにデザインされており、寒い気候や風から耳を保護する役割を果たします。

イヤーフラップの形状は、帽子のデザインや目的によって異なりますが、一般的には以下のような特徴があります。

  1. 長方形または三角形の形状: イヤーフラップは通常、帽子の側面に取り付けられており、長方形や三角形の形状をしています。
  2. 耳を覆う長さ: イヤーフラップの長さは、耳を十分に覆い保護するように設計されています。一部のデザインでは、長さが調節可能な場合もあります。
  3. 取り外し可能な場合もある: 一部の帽子では、イヤーフラップが取り外し可能であることがあります。これにより、気候や環境に応じて自由に装着または取り外しすることができます。

イヤーフラップは、特に冬の寒さや風から耳を保護するために設計された帽子によく見られる特徴です。

イヤーフラップとは、耳当てが付いた帽子のことです。秋冬のランニングシーンで活躍し、耳当てを上げて温度調節ができます。また、耳当てを下げると風よけになります。

イヤーフラップキャップは、スタイリングのアクセントにもなり、表情の変化も楽しめます。

イヤーフラップキャップは、フライトキャップとも呼ばれることがあります。フライトキャップは、パイロットが飛行機を操縦するときに着用していた帽子で、耳当てとつば(バイザー)が付いており、どちらも折り返して上にあげられるのが特徴です。